202110-674:返事をしない

海外との取引で、通信手段がテレックスからファックスに移行した頃の話です。
テープに穴をあけて機械を通すことで、英数字が相手先に打ち出されていました。あの鑽孔テープは、慣れると点字のように読むことができました。大きな音でテレックスが打ち出されているときに、キーボードを使って、オンタイムで返事をすることもできました。その後、通信料金が安く操作性のいいファクスが導入されました。これは、手書きで送れるので、受信した文書にコメントを書き加えて返信するなど、意思疎通のスピードが向上しました。
インターネットに常時接続する環境が整った現在では、ファックスが電子メールに代わりました。これは、ファクスよりさらに通信料金が下がり、操作性も一段と向上しました。

ところが、テレックスがファックスに代わりそして電子メールになっても、変っていないことがあります。返事をだすのは、受取人ということです。受信者が返信をしないかぎり、コミュニケーションは成立しないということです。昔は催促のファックス通信紙が相手先にたまりました、今は催促の電子メールが相手先のメールサーバーに溜まるだけです。
便りがないのは悪い便りです。電話をすると、決まって返事は、「メールは見ている」です。時間がないのか、回答する気がないのか、キーボード入力が苦手なのか、いずれにしろ、返事を待たされている者は、次ぎは、こいつとは付き合いたくないと思っているにちがいありません。

昨今、胡散臭い母子のように無視する人が増えました。沈黙はカネということでしょうか。

関連記事

  1. エレベータ-
  2. 沢尻エリカ
PAGE TOP