金言-226:親子関係

1.任侠映画のお約束
義理と人情を組織運営の基本としている組は、いつも違法で不当なしのぎをしている
組織が放った鉄砲玉に幹部たちがあっけなくやられてしまいます。
義理の親子・兄弟関係が崩壊するのを嫌い、攻撃を受けた組織は無理をします。軽く
見られることを我慢しながら組が生き残るために様子見をしたり、返り討ちにあって
玉砕するのがわかっていても切り込んでいったりします。この世界では、信義誠実の
原則は任侠道としてかかげられてはいますが、差し迫った理由や幹部の覇権争いが最
優先します。
親をとられた子は敵討ちをするのですが、結果として組織の原状回復はシナリオにあ
りません。通常は相打ちとなって、両者が消滅するか、悪玉が生き残るか、または漁
夫の利で第三の新興勢力がのし上がってくるかになります。
親子・兄弟関係にこだわって決起しても報われないことになっています。理由を問わ
ず決起はしてはいけないという為政者のメッセージが背後に隠されているような気が
します。

2.上司と部下
営利を目的とする組織のなかでの上司と部下の関係は似ていますが少し違います。会
社にいれば人事異動や転職の都度、上司や部下が入れ替わります。新任の上司が信頼
できないとの理由で元上司が復帰することはありません。上司は部下を選ぶことがで
きるかもしれません。このような制限があるので、上司と部下の関係は義理と人情の
社会(義理の親子・兄弟関係)より希薄かもしれません。似ているところは、組織を
守るため(自分を守るため)時には信義則を無視し職権を乱用・逸脱してしまうこと
でしょうか。利益を確定するためには何でもありという気迫がないと経済戦争には勝
ち残ることが困難ですが、違法行為が明るみにでると、社内の就業規則や法律などに
より制裁を受けます。
差し迫った状況のなかでは、上司は部下に、所詮「家族ではないので最後まで生活の
面倒を見る義理はない」といってしまいます。自己責任なのだから自分のことは自分
で始末をつけるように引導を渡します。

3.義理の親子
婚姻で成立する親族関係は別の話かもしれません。
母親と息子の嫁との関係は、いろいろです。仲がよくないというのが相場ですが、実
の母娘と違い、血がつながっていない他人ということで一定の距離を置けば長続きす
るようです。法定相続人ではないので、金が絡まないということも理由になりそうで
す。所詮他人同士ということなので、安全地帯にいる間は、良好な関係が維持できま
す。

◆あとがき

株式相場が上昇しているときは、株屋さんは買いを煽ります。そして上昇から一転下
落へ流れが変わった時、需給関係が変わったといって、買いから売りへ転換します。
潮が上げているときは上げ潮だとはやし、潮目が変わると今度は引き潮だと狼狽売り
を誘います。株屋さんに限らず、こういう目先のトレンドに乗っかって大騒ぎをする
人はどこにもいそうです。会社にもいます。経営者の気持ちを察して、その気持ちを
増幅させることが太鼓もちの仕事です。経営者が自ら判断に自信を持つことが主流派
の安泰につながりますから。

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