金言-207:3Vの法則

「3Vの法則」または「メラビアンの法則」とは、心理学者のアルバート・メラビア
ンが1971年に発表した法則で、人は初対面の相手を、外見や態度などで90%以
上を判断しているというものです。
その3つのVの割合はビジュアル(服装・髪型などの外見)で55%、ボーカル(態
度・話し方)で38%。これで93%になります。残りの7%がバーバル(話の内容
)というものです。したがって、第一印象で相手は、話の内容より外見と声だけで9
0%以上を判断していることになります。

初めて就職した会社はレジャー産業でのプライスリーダーでした。この職場の新入社
員教育でまず教えられたのは、身だしなみと健康管理の重要性でした。
身だしなみの基本は、クリーニングされたユニフォームを着用し調髪に気を配り爪の
手入れはもちろんのこと、お客様より高価な腕時計はしない、指輪はしない、靴はい
つも磨いておくことなどでした。各職場には姿見が設置され、接客する場に踏み込む
前に必ず身だしなみをチェックすることを求められました。
健康管理の徹底は、たとえば前夜深酒して顔色が悪かったり息が酒臭かったり、髪の
毛のフケなどでお客様に不快な様子が出ないようにするためでした。
その次に教えられたのは、良質なサービスするためにはまずカタチを覚えることでし
た。自分が何を思っているかは二の次で、きれいなサービス方法、喜ばれるテクニッ
クを覚え実行することでした。例えば、笑顔でサービスすることがハンバーガー屋さ
んで話題になりましたが、不愉快でもともかく笑顔を作り接客することを習慣付ける
ことです。これを繰り返しているうちに、笑顔を作ると気持ちまで明るくなってきま
す。外的要因が心の状態に影響を与えるようになります。一流のサービス方法を身に
つけると、カタチが心に影響を与えて、その結果心身とも一流の接客サービス提供者
になります。
その次に教えられたのは、「ここだけの話だが、自分はお客様とは普段より高い声で
話す」ということでした。

レジャー産業における人的サービスは、常に一見さん相手のようなもので、サービス
提供者が提供する話の内容はあまり重要ではありません。ビジネスコンサルタントで
はありませんから。そういうわけで、外見・態度・話し方などの接客技術的な側面が
重視されます。まさに標題のメラビアン先生の法則の90%を構成しています。

もちろん、従業員は同じ尺度でお客様を判断します。
お客様の足元を見ます。靴が汚れていたり安物だったりしたら、提供するサービスの
価格と比べて警戒します。

いきなり個人投資家の話に飛びますが、
先週は、東証の平均株価が4年半ぶりに14千円を超えました。個人投資家対象の投
資セミナーが頻繁に開催され、本屋には株取引で儲けたという人たちの本が並んでい
ます。投資セミナーでは、儲け話を株屋さんが披露してくれます。ステージにたつ講
師が身だしなみに金をつかっていないのに気が付くと、本当はあまり儲かっていない
なと、腰が引けてしまいます。

◆あとがき
コスト感覚についての小話です。
「米国は宇宙空間でも使えるボールペンの開発に多額の国家予算を消費した。一方、
ロシアは宇宙空間で鉛筆を使った。」
いろいろな場面で、鉛筆で済ませる感覚を持つことができればコスト削減につながる
かもしれません。

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