金言-157:市場心理

すごく損をしている人には共通点が二つあるそうです。39歳というパソコン活用の
分かれ目の年代のサラリーマンから聞いた話をご紹介します。

株式投資を例にあげると、個人投資家の大半が損をしています。その中ですごく損を
している人が沢山いるそうです。
共通点その1:常識的な人
共通点その2:我慢強い人

「買った株が急落する、売った株が急騰する。」この現象は常識的で我慢強い人に繰
り返し発生します。理由は次のとおりです。

事例1:買った株が急落する。
理由:ある銘柄が注目され株価が上昇し始めます。しかし買わずに、我慢強く様子を
見ます。新聞、雑誌、メールマガジンなどでレポーター、エコノミスト、評論家、株
屋さんが上がる理由をあれこれ分析している情報を集めます。今買わないと乗り遅れ
る、まだ間に合うという気持ちが高まってきます。我慢しきれず、そこで買いの注文
をいれます。不本意ながら、買いの注文を入れる最後の集団の仲間入りをしてしまい
ます。この後、買う人がいないのです。したがって、市場は非情にも売りに転じて株
価は下がり始めます。

事例2:売った株が急騰する。
理由:買いと反対に、今売らなければ儲け損なうという気持ちが高まり、我慢してい
たのがこらえきれずに売りに出します。この人の後には売る人がいなくなります。し
たがって、その銘柄は買いに転じて株価は上昇を始めます。

ということは、この人たちと反対のことをやれば損をしない、逆に得をすることにな
るのですが、なかなかできないといいます。理由は、「市場心理」に振り回されてい
るからだと、39歳のサラリーマンが声高に断言してくれました。

振り返れば、日本株が上昇している今年の春先、早朝5時45分から始まる為替と株
の情報番組をよく見ていましたが、結局GW連休明けには損切りをしなければなりませ
んでした。実は、新聞、雑誌、TVなどのマスメディアが作り出す「市場心理」に振り
回されていたわけです。あの人たちのいうとおりにやって儲かった例はないといいま
す。(成功している個人投資家で、新聞(日経新聞)を読まない人が何人もいるそう
です。)

◆あとがき

日本の大手電機メーカーが新工場建設場所を中国ではなく、国内に決めました。空洞
化解消に向け流れが変わったことを感じます。九州を選んだ理由のひとつに、首都圏
でいつ起きてもおかしくない大地震のリスクを回避するためと報道されています。

同族経営企業のリスクを回避するために転職した人にとって、その選択の正しかった
ことが実際に現実になるまでに予想外の時間がかかります。しかしながら、首都圏で
起きる大地震はそれほど時間がかからないのではないかと、ときどき再認識させられ
ます。そのたびに、準備をしようと思いますが、今すぐには来ないだろうと勝手に思
い直してしまいます。終わりがあることは否定できない事実なのにそれを見ないよう
にして意思決定を引き伸ばしています。悲劇的なイベントを迎えるまでの間に、身の
回りで起きる不確定要素のぶれの方が、大地震の物理的なゆれよりも大きいのです。

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