金言-146:止揚する

昨日、新聞広告を見て某月刊誌を初めて購入して野球経営の表舞台から姿を消した人
物の特集記事を読みました。資産家の生まれ、東大卒、共産党の細胞、政権担当政党
のキングメーカーからの厚い信任、1000万部のメディア掌握など敗戦後の日本の
針路に多大な影響を与えてきた人物であることが明快に説明されていました。

この方についてワイドショウのタレントが軽率に非難する場面を見ると、1970年
前後のキャンパスで聞いた赤線Zのリーダーの話を思い出します。話の内容というよ
り、使う言葉が業界用語ばかりなので、つじつまの合う話として理解できなかったの
ですが、覚えているのは、先輩、教授、知識人に対して受け売りのような批評をする
学生を非難していました。曰く、それなりの知識人と面と向かって理論闘争をしたら
軽率な非難はできないということです。20年30年と専門分野で積み重ねてきた暗
黙知を、流行言葉で評価し、さらには全く時代遅れの犯罪的な代物としてこき下ろす
ことなどできないといっていました。では、この問題をどう革命的に乗り越えて現状
を止揚(アウフヘーベン)していくのかとうくだりになると、難解な業界用語で思考
停止してしまいました。

盛りを過ぎた老人の話しを、戯言と聞き流すにはあまりにもったいないと最近感じて
います。確かに、時代遅れ、ミスマッチはあるでしょう。タモリさんのように次々に
登場してくる若手芸人と笑いのツボを共有できる人は少ないのと同様、時代遅れにな
っている人は、次世代の若者と共感できる領域が少ないと思います。レガシーシステ
ムは、いずれ寿命がつきますが、それを置換するために開発されたシステムの寿命の
方が短いかもしれません。技術開発がすすみ、システムがすぐ陳腐化するからです。

こういう限界性をどう革新的に解決していくか(矛盾を革命的に止揚する)というこ
とは無視してはいけない大事なことですが、難しいので昨日、渋谷公会堂で聞いた話
をご紹介して、問題をすり替えることにします。

投資活動必敗法から学ぶ処方箋
1)観客になってはいけない。
2)評論家になってはいけない。
3)学者、研究者になってはいけない。勉強した結果を投資に使うこと。
4)人の意見は聞かない。
5)相性のいいものとしか付き合わない。
6)だめなときは、逃げる。
7)得意な武器だけを使う。(1個か2個)
8)単純で楽な方法でやる。
9)マイペースでやる。

◆あとがき

先週、新宿の喫茶店でうかがった話です。
某IT企業のオーナー(故人)は、社員を採用する際、本人の学力とか能力ではなく
、「ツイているか、いないか」を基準にして、ツキを持っている社員を集めたそうで
す。ツキを呼び寄せるためには、ツキをもっている人間を集め、貧乏神を追い払うわ
けです。オーナーは、沢山のツキをもっている社員を米国の別荘に集め、1週間ほど
一緒に暮らします。ツキを証明できたラッキーな社員は役員に昇格しました。

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