金言-951:モノからコトへ

日銀情報サービス局金融広報中央委員会の金融行動に関する世論調査によると、年収300万円未満では54%が「貯蓄なし」の状況とのこと。同一労働・同一賃金で非正規雇用者の賃金が上がります。でもこれは正社員の賃金が非正規雇用者の賃金に接近していくことになると予想する専門家がいます。

一説によると、終身雇用をやめて従業員を使い捨ての非正規雇用に切り替える企業が増えているそうです。赤字の会社は従業員に払い過ぎと金融業者は考えます。金融業者は最低賃金制度があるから人件費削減も限度があるとかいっていましたが、正規雇用から非正規雇用への切り替えで人件費はもう一段下げることができそうです。正社員の頃に組んだ30年ローンは非正規雇用に変更で返済計画はリスケとなります。

団塊世代の父親世代では「サラリーマンは気楽な稼業」と歌われていました。出勤さえすれば毎月固定給がもらえました。永年勤続で夢のマイホームが手に入りました。勤め人は悪さをしなければ会社は定年まで給料を払ってくれました、異動・単身赴任は当たり前で我慢すれば報われた古き良き時代でした。それがいつのまには欧米のデフォルトが通用する社会に変わってしまいました。レッドチャイナでは都市と農村で著しい格差があるそうですが、我が国も似たような環境になってきました。我が国の少子化晩婚もマイカー離れも断捨離もシンプルライフも、「モノからコトへ」とかいう趣味趣向や生き方の変化というよりは、使えるカネが著しく減ったからなのかもしれません。
今後30年に70%の確率の備えより、すでに起きている収入減の方が非常事態かとふと気になります。

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