201911-378:不動産に縛られている

マイホーム

新卒入社の勤め人稼業に落ち着きが出てきたころ、少し生活に余裕ができ、マイホーム購入を考えたことがあります。いまでも覚えていますが、誰だかすっかり忘れましたが「家に縛られる」ことを嫌うといった人がいました。家を買うと転勤になるとか、身軽に転職できないとか、先々のローン支払いの不安とかいろいろネガティブな話です。そこで買いを控えました。
阪神大震災のときは、前年に芦屋のマンションを引き払って東京にもどっていました。当時の仲間はつぶれたマイホームのローン残と新規ローンで二重苦だといっていました。地震が含まれた保険は一般ではなかったし阪神での地震は想定外でした。
今週長野出張で、令和元年台風19号の洪水で不動産に回復困難な被害を受けた人の話を聞きました。
浸水した土地は買い手がいないので、転居もできず壊れた家を修復して住み続けるとのこと。
今まで商いの現場では持ち家と借家住まいでは与信に差がでるといわれていました。東日本の震災・人災以前の話です。自分なりの経験では、その定説はいかがなものかと思っています。長期ローンは投機です。会社が30年持つかどうか不透明、従業員の雇用についても30年保証なんて現実的ではありません。マイカーは即売却可能で換金できますが、マイホームはそうは参りません。不動産は売りたいときにすぐ売れるものではありませんし、不動産バブルでもないかぎり換金可能価格が下がっていきます。自然災害に不運にも遭遇してしまうと換金困難となります。
結局、不動産に縛られてしまいます。これを嫌ったのはラッキーでした。それに人生、旅の終わりには所有したモノはすべて放棄することになっています。

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