金言-16:漁師の精神

1)オーナー: セキュリティ関連企業経営者

2)語録:漁師は釣れなければ狙う魚を変え、漁具を変え、場所を変える。いつまで
も同じ所にじっとしていて、「魚がいないね」と嘆いているだけではだめだ。

3)自前の漁具をもたない漁師
たしか落語で、二匹目のドジョウをねらった長屋の八つぁんが、前日降った雨の水溜
りで釣り糸をたれる話があった。仲間から釣りをしているときにいい話が来たのを聞
いて、早速自分もいい思いをしようとする話であったかもしれない。

海の近くに住んでいた頃、土曜日に下見をして釣れているところを見つけると、翌日
行ってみることがよくあった。結果はいつも期待はずれ。そこで、いつも道具を車に
積んで下見にいき、釣れているところのとなりで仕掛ければ釣れるだろうと考えた。

ところが、実際に道具を積んで、生餌を準備すると、客観的になれなくなる。いろい
ろなポイントをまわって釣れているところで始めるという余裕がなくなる。いつでも
始められる環境になったとき、見物人ではなくなる。プレーヤーとして、真っ先に自
分が狙った場所で、店を広げてしまう。道具がなければ見物ができるが、道具がある
と見物ができない。

サラリーマンは、自前の漁具をもっていない漁師なのかもしれない。ツールが提供さ
れていないときは、潮時を見たり下見したりする余裕がある。いったん漁具を手にす
ると、借りていられる時間目いっぱい使おうとする。網元もそれを期待しているだろ
う。

4)賢い漁師
賢い漁師がいた。漁具を支給され船頭になったが、思うような釣果がない。種嶋的網
元は、燃料を制限し、餌と仕掛けに注文をつける。網元から任されたが、燃料不足で
漁師は自分の狙う漁場まで行くことができない、餌も仕掛けもミスマッチだ。海老で
鯛を釣ることを期待されていないかのようだ。偶然、大物がかかったら今度は横展開
しろという。

そこで、後任の漁師を網元に紹介してこの漁師は船を降りた。

漁具がなくなって初めて、漁師は漁場を見回し、潮を見ることができた。潮時を見た
漁師は、再び漁具の調達を始めた。今度は、環境に加えて網元の技量に重点を置いて
、漁具を調えることにした。話を聞きつけて、仲間が集まってくる。

漁師は釣れなければ狙う魚を変え、漁具を変え、場所を変える。いつまでも同じ所に
じっとしていて、「魚がいないね」と嘆いているだけではだめだ。

◆あとがき
今回の金言オーナー系列の社長さんと最近お会いする機会がありました。そこで社長
さんから、3年で60億円の借入金のうち40億円返済という話をうかがいました。
しかし、残りの20億円は残しておくそうです。4月のペイオフ(破たん金融機関の
預金払い戻し保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)凍結解除を控え
、資金繰りに困らないようにするためだそうです。

バブル時代に一世風靡したS企業グループの社員は「借金は財産だ」と豪語していま
した。今カタチをかえて、借金が財産になっているようです。

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