金言−712:非正規雇用の若者の一例

あるサービス業の現場での話です。
経営幹部の紹介で1人の若者がパートで採用されました。
学校を卒業してから、10年以上も一貫して居酒屋のバイトを繰り返していたとい
う経歴の持ち主です。サービス業の現場では、居酒屋のサービス経験が豊富という
ことであの業界特有のメリハリの効いた動きと声かけを期待しましたが、見事に期
待は裏切られました。頻繁に喫煙で席をはずします。勤務中に喫煙で持ち場を離れ
ることを居酒屋のような業態で許すはずがありませんので、これも変です。
そこで、経歴詐称を疑いました。経営幹部紹介といっても直接ではなく、知人の紹
介でした。面識はないとのことで、実態は不明でした。結局、様子見です。
1か月経過して見えてきたことがあります。長く居酒屋でバイトしたというのは事
実でしたが、実際はシフトに穴が開いたときの補充要員でした。シフトは不定期で
、手が足りないときだけお呼びがかかる店にとって都合のいいバイトだったようで
す。限られた範囲の仕事だけを他に人がいない時に臨時に代行するという極めて軽
い存在だったようです。
こういうバイトでは、長く勤務したといっても実働時間は少なく任される作業も軽
作業となります。その上に本人のやる気のなさが上乗せされるのですから、どこへ
行っても短時間の軽作業で低賃金となります。
やる気があれば本人次第という楽観論は通じません。
そもそもやる気はないし、仕事もないしという人に、本人にとって未経験の想定外
の仕事を振っても期待に応えてくれるわけがありません。
仕事が先か、やる気が先かといわれれば、やる気が先でしょう。でもそれなりの経
験もなくてどこからやる気が湧いてくるのでしょうか。
持って生まれた運か、それとも限界、それとも宿命なのか、いずれにしても、自分
の環境にはかかわりあいのないことであります。

関連記事

  1. 増税
PAGE TOP