金言−683:子は父を超えられないと思う

火山噴火・地震・土石流など有事の際に、命からがら逃げだしたという話が昨今よ
く報道されます。
命が助かっただけで納得すべきですが、やはり、助かるとカネで買えないモノを含
めた貴重品に対する諦めきれない切なさが次第に膨らんできます。
自分なりの学習経験は、走水か城ケ島の荒磯で、同行の父の友人が釣竿を落とした
時です。あの時、父の友人は波が引いた時に竿を拾おうとしました。それを父が止
めました。当時はライフジャケットが普及していなかったので、冬の磯で波にさら
われたら命の危険がありました。
磯釣りでは複数の竿と仕掛けを持ちこむので、代わりの竿はあるので当日の釣行に
は支障がないのですが、本人にとっては、目の前にある竿とリールが深場に持って
いかれるのを口惜しく思っていたにちがいありません。
身の安全を優先した父の言動は、その後の自分の人生の分岐点で「何を優先すべき
か」ということを思い出させてくれています。子は父を超えられないと思う瞬間で。

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