金言−640:若気の至りの第1号

年をとるにつれて、昔の出来事が突然昨日のことのように鮮明によみがえる頻度が
増していきます。
ホテル宴会販売部門で仕事をしていた20代の頃でした。
ある日、上司の宴会担当支配人から顧客の宴会を担当するよう指示を受けました。
当時は営業職ではなかったので、上司の代理として宴会当日の担当者として接遇し
ました。宴会はつつがなく進行してお開きとなり、支払は即日精算ということで現
金を受け取り、領収書を手渡ししてミッション完了となりました。
ところが、翌日飲み物の請求漏れを経理が連絡してきました。宴会当日請求書を作
成したのは、宴会部門の経理責任者でした。請求漏れについて経理が始末書を書い
て損金処理すると上司に伝えたところ、上司から請求漏れの分を回収するよう指示
されました。
上司の顧客なので話はついているものと、安心して先方に連絡したところ、当日の
宴会は会費制で精算されているといわれ、期待外れの返事となりました。
この上司の無理難題に泣き言をいうのを嫌い、社会人になって初めて「痛い」身銭
を切って案件を処理しました。上司から「あの件どうした」と聞かれたので、「処
理済みです」と事務的に応えました。その時以来、この上司にとって獅子身中の虫
となりました。
若気の至りの第1号の事例でした。
その後何年か経って、この悪の上司が脱サラして赤坂で「好吃」という中華食堂を
開店したと聞きました。さっそく、おすすめのラーメンを食べに行きました。予想
通り、たいして美味しくはありませんでした。

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