金言−289:大量生産大量消費

中国は何千年もアジアの盟主でありますが、一時、日本がその椅子に座ったことがあ
りました。当時、欧米のビジネスフィールドを日本の商社マンが肩で風を切っていま
した。銀行員と飛行機の客室乗務員は良家の子女の職場でした。不動産屋と証券マン
と車のセールスマンは公務員の10倍以上の収入がありました。高所得者たちが使え
る接待費は月収を超えていました。当時、米国は大量生産大量消費で経済をまわして
いましたが、次第にトヨタの看板方式の優位性が注目されはじめて、世界一の自信が
少しゆらぎました。

米国人の生活では大量生産大量消費が、肥満をもたらしました。欧米企業では肥満の
従業員は自己管理能力に欠ける従業員とみなされました。そこでフィットネスクラブ
がブームとなりました。軽く柔らかいレザーを使ったフィットネスシューズが登場し
、それを最初にかついだリーボックは一瞬天下をとりました。

日照時間の少ない冬のヨーロッパ北部で健康的に暮らすためには、日光浴と運動が重
要です。仕事の後に、フィットネススタジオで懸命に汗を流すのは、健康に暮らすた
めの生存本能と想像しました。私の周囲にいたドイツ人は、大量のビールを飲み大量
の食事を楽しんでいましたが、必ず大量の運動をしていました。一方米国人(私の周
囲にいた)は、相変わらず肥満でした。ドイツ人はビールを飲んで肥満にならないた
めに必死でした。それなら、ビールと食事の量を減らすべきと感じました。大量消費
は資源の浪費です。必要な分だけ食べて、相当分の運動をすれば、食料とスポーツ用
品、時間と金の節約になるのではないかと考えました。

ところが、最近わかったことがあります。食事の量を減らしても、適度に運動して脂
肪を燃焼させなければ、ダイエット効果はないそうです。残念ながら食べる量を減ら
しても運動しなければ、人のからだは新陳代謝をコントロールして、脂肪を蓄えてし
まうそうです。(極端に食事の量を減らして免疫力を低下させてしまうのは問題外で
す。)食事の量より、有酸素運動で脂肪を燃焼させることがダイエットに効果がある
そうです。ということで、うまいビールを腹いっぱい飲むことで心身ともに充足し、
脂肪を蓄積させない量の運動をきっちりすることが健康な生活となるわけです。

大量消費は悪で少量消費は善という図式は、ダイエットには無縁の考え方でした。余
分な脂肪は運動で燃焼させるということが大事であることがわかりました。

◆あとがき

先週、現役の大臣を含む3人が逃げ出しました。天下り、官製談合といった高級官僚
のしのぎの仕組みが、織り込み済みの必要悪として認められなくなったためかと想像
します。いままでは、政治家も高級官僚と同じ穴のムジナとして、既得権やら甘い蜜
やらを公然と楽しんでいました。ところが、政治家の特権・金権が問題となり、良く
ないことだということになりました。そうすると、政治家は選挙対策として、高級官
僚の既得権や金権の存在を暴露してこれこそが税金無駄遣いの元凶であるというキャ
ンペーンを始めました。社保庁の役人が公金浪費をしたのであり、官僚が犯人であり
、その時々の政権を担当した政治家たちとは無縁のような雰囲気です。天下りする高
級官僚制度が悪さをしているのであって、与党は日夜国民のために、しぶとい官僚制
度とたたかっているというシナリオです。なにはともあれ、参院選挙をしのげれば日
本株暴落のリスクは減少します。

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