金言-251:契約社員

外資企業で、24時間臨戦態勢で働いていたときのことです。
24時間というのは、グローバルマーケットを相手にした場合、時差の関係で、四六
時中、どこかのマーケットが開いているので、緊急時に備えて常にスタンバイしてい
ないと負けてしまうという意味です。

デスクに座った瞬間、自分のビジネスアワーがはじまります。チャットみたいなもの
で、在席中のサインをだすことによって、G8を中心とした市場での会社のビジネス
活動に参加する意思表示をします。しかし、各国の取引先が相手にしてくれなければ
、半年先には雇用契約が延長無しの解除となり退場となります。

こういう会社で、現地採用の非正規社員の従業員が、正社員として雇用してほしいと
要求しました。他の正社員の反応はありません。アルバイトが正社員になるとかなら
ないとかは、自分たちの待遇に関係がないと考えるからです。アルバイトが正社員に
なれば本人の給料は増えるかもしれません。もし正社員に登用され、他の正社員の仕
事を奪うことになれば、奪われた社員の評価がアルバイトより劣った結果です。生き
残るためには、成果をだし、評価される実績を積み、摺るべきゴマは摺らなければい
けません。それがいやなら、自分がボスになればいいのです。

この現地採用の従業員にはひとつ事実認識が足りませんでした。正社員の雇用契約の
期間は1年で半年前に契約を延長するか否かの査定があります。したがって、設定し
た目標を年度末までに達成し、さらに半年後には新たに設定した目標達成の見通しを
立て、コミットメントをしなければなりません。これができなければ、5年連続で目
標達成したとしても、6年目はありません。成果物を求められる契約社員なのです。
給料に差はあっても、身分は半年しか保障されません。反面、雇用契約の継続をしな
いつもりなら、半年間は求職活動ができます。いままでどれだけ利益に貢献したかを
属人的な側面から強調し、ウィークポイントは経営者の資質に起因することを主張し
、売り込みをかけます。

こういったことが可能なのは、現在の労働市場では概ね35歳までとのことです。

◆あとがき

知人の長男夫婦には1男1女がいるのですが、本人は次の次の跡継ぎを気にしていま
す。もし長男夫婦が離婚したら、長男の跡継ぎがいなくなってしまうという心配です
。そのため、長男の配偶者に大変気をつかい金も十分すぎるほどつかっているという
ことです。
知人には、長男夫婦のほかに娘夫婦がいますので、そこから養子を招いて、血をつな
ぐという緊急避難的な方法があるかと思いますが、そのときになってみなければわか
りません。

いずれにしろ、今回の天皇家の出来事は、少子化問題に加えて、家の承継というもう
ひとつの課題を考える機会をひろく国民に与えてくれました。

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