金言-196:行列のできる店

1.脱サラ
「脱サラ」という言葉が昔ありました。成果主義導入で年功序列がなくなり若手登用
などで肩をたたかれている年長社員にとって、脱サラは清水の舞台から飛び降りる覚
悟は今では必要なくなりました。毎日、小僧たちに背中を押されているのですから。

2.飲食業は敷居が低い
だれでも簡単に始められ開店当日から日銭が入る商売の筆頭は、ラーメン屋だと思い
ます。六本木でおしゃれなカフェーを経営していた知人が、資金繰りに困り店をたた
みました。借金返済が重石になって、事業内容が少しずつ変わっていきました。トレ
ンディでおしゃれなのですが投資効率の低いカフェーから結局ラーメン屋に転身しま
した。飲食業は、初期投資が必要です。開店するには、店舗の家賃、改装、什器備品
を用意します。そのかわり、開店当日から売上が発生します。

3.原価率
原価率が低いので、飲食店は繁盛すると水商売特有の荒稼ぎが可能です。5円の材料
費で作って300円で売れる定番品もあります。そこでオーナーは、差別化をはかる
ために(店主のこだわりとかいいますが)高い什器を使ったり、内装に費用をかけた
りします。

4.すぐつぶれる
お客に飽きられた飲食店はすぐつぶれます。多額の初期投資が負担になり、赤字にな
ると盛り返すのに十分な体力がありません。減収になっても輸入再開まで代替品を使
わず、別メニューで事業を継続させている牛丼屋は、立派です。儲からないビールに
、ウィスキーやウーロン茶の儲けをつぎ込んでいる非上場同族経営の企業もあります
。勤め人には無縁の話です。

勤め人が、蓄えをつぎ込んで起業した場合は、こうは参りません。創業1年未満の事
業主に運転資金を低金利で融資してくれる金融機関はありません。零細企業の融資を
拡大するという流れはありますが、赤字決算の会社に制度融資の可能性はほとんどあ
りません。したがって、飲食店はすぐ開業できますが、すぐつぶれます。

5.行列のできる店
メディアに取り上げられると、一時的に行列ができる店になります。やっと育てた常
連客は一見さんに嫌気して逃げ出してしまいます。そのため、取材を断る店が少なく
なりません。

口コミで行列ができる店の話を聞きました。並んで待ち、席について注文してから2
0分後に、話題の一品が運ばれてきました。食べてみると、格別うまいというわけで
もなく、価格が高いとか安いというわけでもないことがわかりました。ただ、この店
のキャパシティから、作るのに時間がかかるだけでした。それで、お客さんが二度と
来なくなれば列はなくなるでしょう。ですから、ちょっと列ができるくらいにお客さ
んを回転させているわけです。

需要と供給は商売の重要事項です。買い手が多ければ価格は上がり、売り手が多けれ
ば価格は下がります。供給を絞れば取引量は減りますが、取引は有利に継続すること
でしょう。殿様商売で給料を支給されてきた大企業の勤め人の起業には、視点を変え
れば、いつか来た道として、この辺りに若干の優位性(商売繁盛の仕掛け)があるか
もしれませんね。

◆あとがき
目の疲れ。初めて老眼を意識したのは、腕時計文字盤の日付がぼやけ少し離してみた
ら以前と同じように見えたときでした。いつもより離して見るとよく見えるようにな
りました。以後、横になって本を読むことはできなくなりました。横になると本と目
の距離が近くなるので、文字がぼやけてしまいます。老眼鏡を買うきっかけは、打ち
合わせで取引先を訪問しようとしたときでした。夕暮れ時でした。いわゆる交通事故
が多い薄暮の時間帯です。場所が不確かであったので、近くまでいって電話しようと
思って出かけました。そろそろ近いと思い、電話をかけようと名刺を出しました。そ
こで驚きました。名刺の電話番号がぼやけて読めないのです。あたりに明るい電気の
ついた場所がなく、困りました。

そんなこんなで、自宅用と外出携帯用に老眼鏡を2個買いました。読書やPCを操作
する際、めがねをかけたほうが目の負担を和らげ、疲れを軽減することが理解できる
ようになるには、購入後3年かかりました。それから、日中外出するときは、UVカ
ットのサングラスは必須アイテムです。老化は目から始まるらしいです。

関連記事

PAGE TOP