金言−816:10億円の負債を返済中

神奈川県の老舗旅館再生の事例です。
20室の旅館に10億円の負債と120人の従業員がいました。
親から経営を引き継いだ若夫婦は異業種からの新参者です。
当初売却を考えました、提示価格は1万円でした。そこで自主再建を選びました。

若女将と古参の使用人との闘いです。
古参の使用人は、老舗旅館の伝統は自分たちが守り作りあげてきたといいます。経
営者としては、その結果が負債10億円ですから、聞く耳もちません。20室の旅
館は、120人の使用人が分業制で運営されていました。それぞれが限られた範囲
の仕事だけをしてきました。これを、格安航空会社と同様にマルチタスクでこなし
、従業員を減らしてコスト削減をしました。当然、人手不足となります。

使用人は、自分たちが辞めたら旅館は困るだろうと強気です、ところが若女将は業
務のIT化と営業時間の見直しで対抗しました。
若女将は3年間無休で働いたそうです(当然ではありますが)。

また、お決まりの派閥抗争にも対抗しました。いままでは本館派と別館派に分かれ
ていて連携がとれませんでした。マルチタスクには癌となります。そこで本館と別
館にそれぞれあった厨房を壊して新築で1個にしました。

今では、地方創生担当大臣が視察に来るほどに再建、黒字転換して負債も減り始め
ているそうです。

年間6000万の赤字がプラ転し1億の黒字基調になっています。
財務諸表では、成功物語です。

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