金言−477:何年かに一度、思い出すことがあります

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正月気分が薄れる頃、ちょうど今頃、何年かに一度は、思い出すことがあります。
ホテルマン(宿泊企画担当)だった頃の話です。

当時、年末年始は泊り込みで12月30日から正月2日まではほぼ徹夜続きが当然
のことでした。

30日は大みそかからはじまるお正月プランの準備で朝までかかってしまします。
30日までイベントがあったりすると、会場の飾り付けは30日の深夜からのスタ
ートになります。

31日は早朝にスタンバイが終わります。そして午後は、続々とチェックインされ
るお客さまの誘導で休みません。客室は満室です。そしてこの年末年始期間だけホ
テルの全てのレストランが終日満席状態になります。紅白が終わると庭園にある鐘
楼でお客さまによる除夜の鐘つきがはじまり、ラウンジではカウントダウンパーテ
ィが始まります。

元旦はホテルの屋上を開放して初日の出を迎え、また、初日の出クルーズ、初詣バ
スツアなどが同時進行し、おせち料理や各種のお正月プランでホテル中がにぎやか
になります。

2日は、ホテル滞在中のお客さまが退屈されないよう盛りだくさんの催事を終日お
こないます。当時はラジコンカーが流行でした。ホテル駐車場の仮設サーキットで
のラジコンエンジンカーレースに300人のこどもたちがエントリーしたこともあ
りました。

3日はチェックアウトのラッシュになります。現金での支払が多く、会計ではカウ
ンターの下にダンボール箱を置いて、頂戴した一万円札の束を投げ込んでいきます
。夕方になってやっと一段落し、イベントの装飾を片付けて正月プロジェクトが解
散となります。

何年かに一度は思いだすのは、この徹夜続きの勤務が終わり、おせち料理を楽しみ
に帰宅したときのことです。目にクマをつくってようやく帰ったところ、夕飯はカ
レーライスと餃子でした。カッとしてテーブルをひっくりかえしました。味噌汁が
当時人気であったサンスイの大型スピーカーのコーンにかかりました。家族は、ホ
テルマンはお客さまと同じおいしいおせち料理を食べていると思ったのです。おせ
ち料理は食べ飽きただろうからとカレーライスを用意してくれたのですが、睡眠不
足と過労でそこまで考える余裕はありませんでした。

料理長や担当支配人クラスは食べているかもしれませんが、イベント催行中のスタ
ッフは、社員食堂の定食と夜食の弁当しかありません。普段行く町場の食堂は休み
ですし、ホテルのレストランはどこも満席です。従業員用に調理場がお客さま用の
食材を出すわけがありません。かきいれ時で、正月料金で売れる大事な食材です。

そういうわけで、いまだに当時のことを、子供たちにも謝ることなく、正月気分が
薄れるいま頃、3年に1回位の割合で思い出します。

あのときは、ごめん。思い出すと涙がでてきます。年をとりました。

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