金言−422:融資責任者のストレス

郵政民営化反対政党の大臣が資金繰りに苦しむ中小企業の延命を図る救済施策を公
言しています。今まで、赤字企業に融資する金融機関の理不尽な態度を漫然と想像
していましたが、実情は少し違うようです。企業が経営不振になり追加融資や返済
の猶予など都合の悪い状態になったとき、メインバンクは経費削減・リストラ実施
などを条件に追加融資すると思っていました。実際は、リストラを追加融資の条件
にすることは違法行為のようです。増資の際に出資して主要株主になって役員を送
りこむのは適法ですが、融資する見返りに人事に干渉してはいけないそうです。融
資の条件に外部の即戦力の人材を金融機関が送り込むことは困難で、あくまでも助
言にとどまります。

したがって、金融機関の融資責任者(支店長など)はストレスを抱えてしまいます
。もちろん、融資の際に融資先の事業計画や資金繰りの妥当性を評価して融資の是
非を判断するでしょうが、金融機関は顧客企業の経営方針について決裁権限がない
ので、スピード感が犠牲になってしまうようです。融資先の事業計画について問題
点を指摘しても経営陣が是正をしなければ、融資元にはストレスが残ります。企業
が自助努力の一つとしてリストラを実行しなければ、融資はしないと圧力はかけら
れますが、人事に介入できないので、実効に不透明感のある施策に対して追加融資
を迫られるのが実情らしいです。

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