202303-363:損した話は蜜の味

昔々、勤務先が上場する直前、従業員は持ち株の大化けを楽しみにしていました。増収増益の綺麗な数字を作るために全社一丸で頑張りました。上場前ですからインサイダー取引はありません。従業員はせいぜい毎月の持ち株買いを増やす程度です。
にわか個人投資家が増え、終業後のガス抜きの話題は株取引が中心となりました。競走馬の投票結果を酒肴にするように、銘柄選定やエントリーや利益確定、損切りのタイミングについての話で居酒屋会議は盛り上がりました。

勤務先は上場を果たし、持ち株を換金して軍資金を手にいれた「つぶしの効く」できる従業員は転職や起業しました。IPOが視野に入る事業展開を目指しました。
もともと有能な人材集団ですから、何年かすると成功事例はでてきます。そういう幸運な話は酒肴となりません。お約束通り、他人の不幸は蜜の味というわけでスピンアウトした元従業員の失敗事例で盛り上がります。

自分なりの事例もあります。10年来、株取引で成功体験を自慢していた知人とのコーヒーショップでの雑談で、儲かった話をしました。タイミングが悪かったようで、知人はかなりの額の損切りをしたようです。即日、コーヒーショップでの雑談は消滅し現在に至ります。

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