金言-205:古いモノへの固執

ある公共機関では、新しい道具を導入しようとした際に、それを使用する従業員の抵
抗が受け、せっかく導入した新しいモノが使用されず再び古い道具に戻してしまった
そうです。
「新しい機械を導入すると、それまでと異なる仕事の手順が導入される可能性があり
ます。この組織の現場では、変化を嫌い技術変革に抵抗する傾向がありました。従業
員同士の信頼関係や団結心が、場合によっては古い道具や古い手順への固執となって
表れることがあります。古い、陳腐化した技術が長年の習慣として尊重されてしまう
のです。」

新しい道具を使用しないデメリットは、現状の改善や不具合の解消がもたらされるメ
リットを否定します。例えば、ビル内で途切れてしまう無線通信環境への新しいシス
テムと送受信機の導入は、飛躍的な通信環境の改善をもたらします。一方、このシス
テムと無線機は従来の通信手順や通信環境(ユーザが増えるなど)にも影響を与える
ので、何かしらの変化が生じます。いままでどおりの方法で満足していたユーザには
変化がストレスとなり、もしかしたら彼らが享受していた既得権益にも影響を与える
かもしれません。

以上の心配が現実になった事例のひとつが、911テロで崩壊した高層タワーの防災
システムだったそうです。新しい無線機を使用していれば救助隊がビル内でより正確
な被害情報を入手でき、効率的な避難救出活動ができたはずだったということです。
使い慣れた道具にこだわり、更なる改革を嫌った人たちが自ら犠牲者の仲間入りをし
てしまった不幸な話です。

永田町でも同じようなことが起きているかもしれません。新しいシステム導入による
既得権益喪失を嫌って党のルールを無視した人たちが、造反議員と呼ばれています。
離党届も出さず、党員だから党の決めたルールに従うなどと、党の決めたルールを逸
脱して行動した張本人が今頃寝ぼけたことをいっています。この先生たちも、古いモ
ノに固執して、状況判断を誤った犠牲者の仲間入りです。

◆あとがき
新橋の喫茶店で聞いた話ですが、最近は店の中がにぎやかになってきたそうです。
不景気のときは、サラリーマンのひそひそ話しが多いそうです。他人に聞かれてさし
さわるような話題が増えると、どうしても声が低くなります。ところが最近は、声が
大きくなり明るい笑い声が聞こえるようになったのです。街角の景気が確実に上向い
ているようです。

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