202011-667:意思決定のスピード

最初に就職した会社は同族会社でオーナーの鶴の一声で事業運営されていました。社内会議はオーナー指示を間違いなく伝える場であり、全ての意思決定はオーナーです。会議が長くなる場合はオーナーの指示事項が多いときか指示の忖度内容について幹部社員の解釈が一致しないときです。それでも、オーナー指示は即断即決で実行することになっていますので、会社としての意思決定にはスピード感がありました。

ドイツ企業にいたときは、会社の意思決定は朝礼暮改・臨機応変でした。上司が変われば戦略も変わります。同族のオーナー企業とは異なり、株主や監査役会が利益確保を優先しました。会議にはスピード感はありません。論理的合理的に利益を追求し、意思決定には時間がかかります。スピード感はありませんが、決定すると猪突猛進でブレません。

ソフトウェア会社にいたときは、会議は長かったです。経営会議は全会一致が鉄則で出席者全員が納得するまで議論します。会議室には朝食が用意され早朝から議論が始まります。次回に持ち越すこともあります。そして合意に達すると、即実行されます。
スピード感がないように思えますが、最新の情報を議論し決定即実行ですから、競合他社との競争力が削がれる心配はありません。

20年ほど昔の話ですが、堀場製作所の会長さんが「議論を始めてから少なくとも15分以内に結論を言ってほしい。理想は1分以内ですが。」というコメントが新聞に掲載されていました。
その場でさっと意思決定ができないとしたら、時間をかけても同じでいい結果が出る可能性はありません。意思決定にはスピードが肝心です。スピード感がないのは、機が熟していない、相手が意思決定をする立場にない、または意思決定者に必要な資質を欠いているなどの理由があるのでしょう。
意思決定する内容は15分以内選択することと理解しました。

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