金言-160:パソコン事業売却

先週は、IBMのパソコン事業売却のニュースがありました。
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聯想集団、米IBMパソコン事業を1300億円で買収
中国のパソコン最大手、聯想集団(レノボグループ)は12月8日、米IBMのパソ
コン事業を全面買収すると発表した。買収金額は12億5000万ドル。同グループ
は世界3位のパソコンメーカーになる。IBMは企業向けサーバーや情報技術(IT
)サービス事業に特化し、パソコン事業から事実上撤退する。
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数年前、IBMユーザを対象としたイベントで神奈川県にあるノートブック(Thi
nkPad)の開発現場を見学する機会がありました。黒地に赤丸のブランドイメー
ジは、紫色や白色のゲーム用パソコンではない硬派なパソコンということで、業務用
の信頼性をセールスポイントにしていました。

ThinkPadの開発は日本で行われていることをこの時知りました。その開発責
任者が、IBM製品のユーザ企業を招待したイベントで、事業として成り立たなくな
ったら、会社はパソコン事業から撤退するといいました。これには驚きました。製品
開発の仕組み、特徴、機能、市場占有率、ソリューションなどこの製品の優位性を2
時間近く聞いたあと、儲からなくなったら撤退すると冷たくいわれました。

自社ブランドのパソコンに愛着やこだわりをもつIBMの社員は数千人はいるはずで
すが、メディアでは話題になっていないようです。リストラが市民権を獲得している
時代に、こだわりや愛着は金にならないことを外資に働く日本人社員はよく理解して
いるのでしょう。

◆あとがき

日本が右肩上がりで成長していた時代、休暇がとれず未消化の有給は買い取ってくれ
る会社がありました。バブル真っ盛りで、日本のビジネスマンが自信に満ちて世界を
駆け巡っていたころの話です。先代から引き継いだ不動産を原資にして大規模なリゾ
ート開発を次々に展開していたこの会社で、有給買取の特典がない職場長が、部下に
事前告知せずに部下の特典をオーナーに返上しました。この職場長は、オーナーに買
い取りを返上したことを朝礼で部下に伝えました。別の日には、オーナーが時の総理
大臣に料亭で、「当社には休みが欲しいという幹部社員はいない」といった報道が流
れました。翌日から本社の社員には事実上有給休暇がなくなり、休日出勤が増加しま
した。この会社は、「俺がやるから、お前もやれ」という社風はなく、お上が決め、
従業員は従うという会社でした。このような会社が存続するはずがないと見限りまし
た。あれから17年。損切りの妥当性がやっと証明され始めました。

レジャー開発事業で赤字を積み上げている不動産屋さんと比較して、パソコン事業売
却を発表した外資企業の意思決定はおみごとです。

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