金言-25:ゆで蛙

1)オーナー: BPMワークフロー・コンサルタント

2)小学生には衝撃的な実験

新宿にある会社の月例全体会議で、お隣の国から来日し休日を半分返上して仕事に打ち込んでいるビジネスマンが、その国では学校で教えているらしい(だれもが知っている)教訓を披露した。いわゆる「ゆで蛙」の話である。

小学校の理科の実験室によくある、ビーカーに水をいれ下からアルコールランプで熱する実験である。このビーカーに生きたカエルをいれて、ゆっくり熱を加える実験を小学校でするそうである。

ビーカーにはふたがないので、カエルは命の危険を感じれば飛び出すことができるのだが、水がゆっくりとお湯になっていくので、カエルはノーアクションで昇天してしまう。このコンサルタントは、小学生のとき、教室で涙を流して教師にカエルの助命を訴えたという。指導要綱のとおり、カエルは昇天。以後、この教訓は児童の心に鮮明に焼き付くことになる。(今のままではいけない、温室のような環境に満足していてはいけない、向上心をもたなくてはいけない、危機は徐々にやってくる、無策だと取り返しがつかなくなる)

3)日本は負けている

「ゆで蛙」の教訓は、ビジネスマンを含めた大人に対するものだと思っていたが、隣国では、生物を使って衝撃的に教えている。「戦争を知らない子供たち」に孫がいるような今の日本の小学校でこんな実験をしたら、すでにお湯に浸かって「ゆであがる寸前の教育ママ」たちが、大騒ぎをすることだろう。

カエルたちの命をかけた諫言を、お隣の国の児童は涙を流して聞いているのである。インターネットの普及率でも日本は負けているが、現状を打開する積極性という面でも、日本は昭和20~30年代のハングリーな精神を失っているのかもしれない。

◆あとがき:ローカルな日本人の行動パターンに見る限界性

東京から550KMほど離れた都市でよく見かけた現象です。通勤時間帯の混雑した駅で、電車を降りると、その土地の人たちは人の前へ前へと出たがる行動をとります。少しでも前に隙間ができると割り込んできます。急いでいるのかと思い、進路を一歩ゆずるのですが、混雑がなくなり前に人がいなくなると、歩くスピードが途端に遅くなります。そこで、割り込んできた人たちは、後にいる人たちに追い抜かれますが、気にならないようです。この人たちは先を急いでいるのではなく、競り合っているときは負けたくないという根性だけのようです。

ただ目立ちたい、人に遅れをとりたくない、負けたくないという気持ちが、長続きしません。継続することが大切なのですが、限界があります。マラソンでスタート直後トップに踊り出て、スタジアムを真っ先に飛び出していくランナーみたいなものです。そんな目立ちたがり屋で結果を出せないランナーがどこの会社にもいることでしょう。こういう人種を「ゆで蛙」のビーカーにいれると、すぐ逃げ出してしまいます。

株主としては、こういう幹部社員を圧力釜に閉じ込めて茹であげて、株価アップに貢献させてほしいと思います。

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