金言−680:まだまだ父を超えられません

親族でマイホームを持たない世帯は、どうやら我が家だけとなりました。
実家から独立してから、一貫して賃貸住宅に住んでいます。
老いてなおカネに執着する元気な知人には、日頃持家のない人は商売でも信用され
ないといいます。しかしながら、個人事業主ではないので、いまだかつて不動産所
有の有無を取引先から問われたこともなく、また、銀行から融資を引き出す必要も
なかったので信用調査も問題なく、事業を継続してきました。
サラリーマン時代には何度かヘッドハンティングのオファーを受けましたが、その
際も不動産所有は不問でした。ハンターが欲しい人材は個人資産の有無ではなく、
送り込む企業で初年度から利益を産む力と資質があるかどうかでした。
もちろん、若い頃、結婚して何年か共稼ぎをした時点でマイホームの頭金程度の蓄
えができた時がありました。当時、住宅購入が視野に入った頃に、些細なことで夫
婦喧嘩をし、その時、ふと、長期ローンを組む不透明感と将来にわたって家に縛ら
れる不自由さを感じました。そしてこの不透明で長期にわたる束縛を嫌い、その時
々の意思決定の障害にならないようにと、高額な不動産購入をやめました。
以来、転勤・転職・収入の増減、未曾有の天災・人災という内的・外的要因に応じ
て、収入を確保するのに次善な場所・広さ・賃料の物件に住み替えてきました。実
家を出てから数えると今年の春で12回目となりました。
それでも残念ながら、晩年の父が実行した断捨離のレベルには達していません。子
は父を超えることができないのでしょうか。まだまだ修行が足りません。

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