金言−430:経営者次第:長期投資≒ギャンブル

団塊の世代のサラリーマンの大半は、縁あって就職した会社で勤続年数を積み上げ
てきました。この世代は、いわば就職した会社に40年弱の長期投資してきたこと
になります。永年勤続の間には、会社が同族経営の会社なら経営者の世代交代、パ
ブリックカンパニーなら雇われ社長が何回か交代する場面に遭遇しています。

転職や、関連会社への移籍などに幸運にも縁がなかったサラリーマンは、株式投資
で例えるなら、銘柄入れ替えや損切り・利食いをしないで、定年と同時に利益確定
の売りをすることになります。運のいい人は、会社のM&A、リストラや早期退職
、退職金減額に遇わずに期待どおりの退職金を手にすることができます。運の悪い
人は、定年退職(利益確定)時に計算した金額が大幅に目減りしてしまうかもしれ
ません。

20日に上場廃止予定の企業で長期にわたり高給で働き、昨年までに定年退職した
世代はラッキーでした。今年定年を迎える団塊の世代の年少組はロスカットに追い
込まれたはずです。

サラリーマンにとって転職することが不利益ではなくなった近頃では、不確実な会
社の将来性に自らの人生を元手にして長期投資するようなハイリスクを嫌い、就職
をためらっている若者が確実に増えています。不確実な将来を買うことを、(長期
投資)嫌うという点については、若者の感覚は間違っていないような気がします。

経営者次第:長期投資=ギャンブル
ある企業の株を買う(就職)ということは、その企業の将来性を買うということで
す。企業の将来性は経営者の持つビジョンで判断します。会社の業績は「経営者次
第」です。投資する時点での経営者のビジョンは明確になっていますので、その時
点での将来性は判断可能です。

しかしながら、次世代経営者ましては2代先の経営者の経営能力は不明です。とい
うことは、たとえば不動産購入のために組んだ長期ローンの原資を得るために、特
定企業に長期投資(永年勤続)することは非常にリスクの高い投資といいかえるこ
とができます。将来性の判断ができないということですから、これは投資ではなく
ギャンブルなのかもしれません。

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