金言−384:失敗に慣れている人たち

命がけで働く人たちは、失敗に慣れているそうです。
ハイリスク・ハイリターンを好む人たちは、ハードルの低い仕事を選ぶ人より失敗
する確立が高いはずです。ハードルの低い仕事が、常にローリスク・ローリターン
であるとは限りませんが、ローリスクの安全策をとったにもかかわらず期待する結
果が出なかった場合は、落ち込みます。

失敗に慣れている人たちは、ハードルの高い目標を達成するため、常に能力の限界
まで自分を追い込んでいるはずです。しかし、仕事を依頼する側には不安がありま
す。失敗に慣れている人たちが蓄積してきた失敗件数の多さが気になります。任せ
て安心というわけにはいきません。難易度の高い仕事が成功すると大きなリターン
を楽しむことができますが、失敗したときの彼らの予想外の潔さが気になります。

リスク優先の投資家は、失敗に慣れている人たちには投資しません。失敗した件数
が多いからです。命がけで働くプロと付き合うには高額な費用がかかりますが、そ
の分、見返りに上乗せが期待できます。リターン優先の投資家は、失敗を気にしま
せん。小さく負けて大きく勝てばいいと考えているからです。失敗の件数より成功
の量に関心を払います。

まだまだ続く経済不況のなかで、多くのサラリーマンにとっては勤務先の消滅また
はリストラが対岸の火事ではなくなっています。不安と危険に満ちた世の中で、生
き残っているわけですから、私たちも「命がけで働く、失敗に慣れている人たち」
と同じ土俵の中で暮らしていることになります。ドッジボールのコート内で、敵が
投げつけるボールを避けるために必死に逃げ回っているだけかもしれませんが。

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