金言−306:大きなチャンスと小さなリスク

1)チャンスを見逃してはいませんか。
勤め人の性なのでしょうか、チャンスとリスクをはかりにかけると、些細なリスクで
もチャンスより重たく感じてしまいます。
目の前にチャンスが来ても、それに気がつかない人、不確かなチャンスの先に見え隠
れする危険な匂いに逡巡する人がいます。
神仏に何かをお願いする人が多いですが、お賽銭の投資効果を疑う人も同じ数だけい
そうです。必死に祈願したのに成就しなかったとクレームをつけられる「神様」は、
きっと「成就しないのは、あなたが神の助けを無視したためだ」と反論すると思いま
す。せっかくのチャンスをその人は見逃しているのです。

2)見逃す代償
「神様」が与えてくれたチャンスを見逃しても、実害はありません。ただお願いが成
就しないだけで、大きな損害は被りません。やってやれないことはないはずですが、
やらずにできるわけがありません。でも、やらなかったことで、損害が増えることは
ありません。まだチャンスがやってこないと様子見を続けています。野球では見逃す
とアウトです。様子見ばかりしている選手は出番が少なくなり、監督は適性を疑い始
めます。見逃しを何回か繰り返すと、支払う代償は大きくなります。ただ1回当たり
の代償が目立たないので、気がついたときがゲームオーバーです。

3)小さなリスク
大きなチャンスの先に見え隠れする小さなリスク。これは、もし心配していたリスク
が現実になると、実害が生じます。実害を被ると予想したリスクが現実化するから当
然です。チャンスは、取り逃がしても直接の被害はありませんが、不安なリスクが現
実化すると不安に思っていた額の損害が発生します。だから、大きなチャンスに夢を
見るより小さなリスクの現実化で被る損害を心配してしまいます。

4)何もしなければ、失敗しない。
これは勘違いかもしれません。例えば、小型船舶でエンジントラブルになったとしま
す。船は目的地に着かないだけでなく、潮と風によって流されます。トラブルが起き
たとき、何もしないと漂流を始めます。陸地に流れ着けば幸いですが、沖に流され大
海を漂流することになれば助かる確率は限りなくゼロに近くなります。近くを通る大
型船の引き波をかぶって転覆するかもしれません。

◆あとがき

元サラリーマンの某氏が、実は失うものはほとんどないのに、先が見えない不確かさ
を理由に、事業提携の誘いを拒み、自ら実業の表舞台から姿を消しました。
会社の傘の下から出たら、先が見えないのは当然です。自力で、先が見えるところま
で行かなければいけません。
先が見えないということを、可能性と読み替えることができない人は、ベンチャーの
仲間には、入れてもらえません。所詮、泳ぐ気がない人、学ぶ気がない人には、目の
前の不確かな大海原は、踏み込んだら確実に溺れてしまう恐ろしい世界にしか見えな
いのでしょう。目の前で幸運の女神が微笑んでいるのに、2丁目のママの呼び込みと
勘違いして逃げ出したのでしょうか。

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