金言-224:自爆テロと利敵行為

1.国会自爆テロ
1通の「おさわガセ」メールがようやく沈静化しました。これを国会に運び込んだ若
者は自爆テロリストの役を果たしました。

確かに爆弾質問は、いかにもありそうな与党の影の部分をつつきましたが、爆弾は1
発かぎりであったため政権にダメージを与えることができませんでした。1箇所に穴
を開ければ次から次へと膿が噴出してくることを期待した1発でしたが、与党は、ま
るでパンクしないタイヤのようでした。タイヤに釘を打ち込まれても、エアは抜けず
そのまま走り続けています。結果、野党第1党は与党の要求どおりに謝罪し一件落着
となりました。

こうなると、自爆テロは別の意味をもってきます。利敵行為です。強者は、大して損
害にならない傷をあえて受け、それを理由にライバルに深刻なダメージを与えるまで
反撃します。情報を取り次いだ人物が何を意図していたかはまだ不明ですが、結果は
野党の弱体化でした。

2.高校野球「道連れ」テロ
高校野球の某出場校が野球部員の不祥事で出場辞退をしました。
未成年の飲酒・喫煙発覚が理由ですが、補導された野球部の生徒たちは試合出場メン
バーではありません。出場メンバー以外の不祥事での出場辞退は、教育的指導の立場
から仕方ないことかもしれません。

常勝の有名チームはたくさんの部員を抱えています。当然試合に出場できるメンバー
は限られ、3年間一度も公式試合に出ることなく卒業する生徒がたくさんいるはずで
す。この子どもたちの中に自爆テロリストがいたらどうなるでしょうか。国会の自爆
テロとは違いますが、こちらは「道連れ」テロかもしれません。陽のあたる場面には
呼ばれることのない控えの選手たちのなかから、ほんの一部のこどもが常軌を逸した
行動にでるとそれでこのチームの甲子園プロジェクトはゲームオーバーになります。

3.余談
昔スポーツシューズを売っていた人から聞いた笑い話です。
某外資系スポーツシューズメーカーのマーケティングマネージャーが、ライバルメー
カーのブランド価値を下げるために、公園にたむろする浮浪者にライバルメーカーの
シューズを履かせることを思いつきました。汚い・臭い浮浪者がそろって真新しい靴
を履いていたら目立ちます、それが同一メーカーの新製品であれば、消費者は不審に
思います。風評によりこのブランド品のイメージが傷つき、商品力が落ちるかもしれ
ません。

こういう効果を狙ったアイデアですが、酒席で問答無用の却下になりました。新品の
靴をもらった浮浪者は、履かずにすぐ換金するというのが理由です。

◆あとがき

トリノ五輪が終わり、偽メール事件が落着し、ひな祭りも終わりました。
500万円の髪飾りをもらった日本人スケート選手のそばで一緒に喜んでいた高校生
スケート選手が、次の大会に向けて「国の代表としての自覚をもって...」という
意外な言葉を発しました。

一方、トリノでメダルは間違いないとうそぶき、転んで駄々っ子のように悔しがった
少年がいました。テレビで未成年のボクサーが、自分の父親より年配の大人たちにむ
かって「タメぐち」をきいています。国会にはまだ反省していないと与党に叱られて
、公の席で2回も謝罪させられた30代の衆議院議員がいます。ニート代表のタイゾ
ー君とどちらがましか究極の選択を迫られているのでしょうか。

最近の高校生意識調査によると、中国・韓国・米国と比べて我が国の高校生の意識は
、少し違います。彼らもいずれ実社会で国の繁栄をかけて経済活動をする場面がきま
す。いままでどおりなら、我が国には勝ち目がないでしょう。道州制などとのんきな
議論をしているうちに、我が国は実質的にレッドチャイナの日本自治区になってしま
います。

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