金言-117:持たざる経営

1)ファブレス

Fabirication + Less

工場を持たない、固定資産を持たない経営。

2)ビジネス3業態
★ OEM:企画・開発無し、組立・製造無し、販売有り。

★ EMS:企画・開発無し、組立・製造有り、販売無し。

☆ ファブレス:企画・開発有り、組立・製造無し、販売有り。

3)持たざる経営

15年以上前に、世界屈指のスポーツシューズメーカーは、自社工場を処分して手に入れたキャッシュをR&Dにまわしました。もちろん、最終顧客には自分で売って、ブランドイメージと利益を確保しています。当時は、資金繰りの都合で、コストの高い先進資本主義国の労働者の雇用を諦め、発展途上国に望みをかけたのです。これは、究極の選択と考えました。親子代々受け継がれてきた職人の技を捨てることにこだわりが残っていました。ところが、小ロット多品種生産なら職人芸が発揮できますが、大量生産の製品にはオーバースペックになります。それに、量をこなすうちに、機械の進化に助けられて、素人の作業員がいい仕事ができるようになりました。

昨今のエコノミストは、ファブレスといい、持たざる経営を成功モデルとして語っています。当時は、資金繰りに困っての苦悩の決断であり、経営者は労働者からも古参社員からも消費者からも、資産の切り売りをして食いつないでいると非難されました。

このような先輩経営者のおかげで、いまやファブレス経営と、ブリッジサービス(つながりにくいところを、うまくつなぐ。コラボレーション)がベンチャーのアドバンテージになっています。

◆あとがき

30年近くお世話になってきた床屋のマスターが引退されるとき、「あんたは、バブルの景気のいい時を味わったのだから幸せだよ。世界中を仕事で旅して、うまいものを喰って。今の若いモンはかわいそうだよ。景気の良かった頃を知らない、こんな不景気の世の中で暮らしているのだから。」と言われました。

そうです、これからは「世のため、人のために」生きていきましょう。もちろん適法な商行為で利益を確保しなければ暮らしていけません。

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