金言-43:「ワイン!」と叫んだ!

1)オーナー:大企業の常務取締役宣伝部長

2)シーン1社員旅行のバスの中で、お昼の弁当を配っていたら後ろの席から1オクターブ高い叫び声が聞こえた。「ワイン!」まだミネラルウォーターが市民権を得ていない職場で、弁当と一緒に配られた飲み物は、お茶とコーラとビールであった。重いビールを5ケースも運びこんだ幹事は「いつも、ランチでワインを飲んでいるのか。」と殿の甲高い「ワイン!」の一声に反発を覚えた。

3)シーン2宣伝部の「殿」は、いつも、食事を気にしていた。会議が長びいた時、残業のとき、必ず社員に食事をさせた。本人も定時に食事を欠かさないよう気を配っていた。仕事の進捗状況より食事の方が気になるように感じた。目の前の仕事に追われている者にとって食事はどうしても後回しになる。しかし、上司に言われれば、仕事を中断して食事をせざるを得ない。

4)再評価思えば、社員の健康管理について殿は、リップサービス以上のことをしていた。大食漢ではないこの人が立派なのは、多忙な社員に食事を欠かさないよう毎日指示していたことだ。もちろん、自分自身の健康管理は他人以上に厳しい。深夜まで仕事をしている部下には、わがままで自己中心的な上司と思われる。「ワイン!」事件についても、自宅では健康に配慮して、肉とビールを控えていたので、自然と口から出たのではないだろうか。この点に限り再評価してもいいと考えている。肉とビールを控え、赤ワインを2杯までなら健康にいい。

◆あとがき
ワインと叫んだ「殿」のいた会社は社員の出退勤に厳しい。女性社員は始業時間の30分前に出社するよう新入社員教育でしつけを受ける。男性社員はもっと厳しい。社長が7時に出社するときは6時半にはオフィスの電気をつけなければいけない。

社長の外出を見送る当番の社員は、社長車が見えなくなるまで、頭を上げてはいけない。社長が帰社するときは、お迎え当番の社員は30分前から玄関に待機する。これは第1優先の当番なので、その時間は日常業務がストップする。もちろん、取引業者、協力会社、子会社の社員は、担当者の当番が終わるまでじっと待つことになる。

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