金言−813:食堂の話

昨今のテレビ番組は、高学歴のお笑い芸人がMCになって食レポをするシーンが目立
ちます。
確かに、この先行くことはないと思われる地方の名物や新規開店の食堂の話題は娯
楽として楽しめます。行った気になりますし、おいしそうなもの、高そうなものな
どを食べた気になることもできそうです。

食堂経営は敷居が低いので、わずかな開業資金で始められます。
新規参入が容易なので、1年もたずに廃業に追い込まれるケースも多そうです。
有名人で借金を抱える原因は、昔は不動産取引でしたが、最近は食堂経営かもしれ
ません。

食堂はオーナーシェフなら独りでなんとかなりますので、ランニングコストも調整
できます。厨房を他人にまかせ、従業員を雇うとなると、開店景気が一巡して閑古
鳥が鳴いたとたんに運転資金が底をつきます。

それともう一つは、スタッフが売上を横領、持ち逃げして廃業に追い込まれるとい
うのもあります。内部統制がしっかりしている大手の金融機関でも、ベテラン行員
が生涯賃金を上回る横領をして御用となっています。金融機関でも防げない従業員
の悪さを、日ごろ目の届かない食堂で防止するのは困難です。水商売は原価率が低
いので、従業員のつまみ食いは織り込み済みです、多少売上を抜かれても十分に儲
けが残る業界でした。昨今は価格競争で原価率が上がり、勘定に遊びが減りました
。損益計算でつまみ食いの使途不明金の支出を計上すると赤字転落です。

人手不足で使用人からやめるぞと脅かされて、仕方なく不良従業員を使っている食
堂もありそうです。
他人を頼り、世話になるというのは、カネがかかるということであります。

関連記事

  1. 神輿を担ぐ
PAGE TOP