金言−348:プロの勘働き

日本医科大学の基礎医学情報処理室のレポートによると、将棋界の天才、羽生名人
が局面を読むとき、脳が凡人と違う動きをしているそうです。

将棋のプロが、将棋盤を見ると普段と違う脳波が瞬間的に現れますが、碁盤やチェ
ス、その他の駒が並んでいるのを見ても反応しないそうです。チェスのプロも同様
にチェスには反応しますが将棋盤を見ても特別な脳波は発生しないそうです。

時代劇の「火付盗賊改方長官」長谷川平蔵のセリフのひとつに「勘働き」という言
葉があります。特別な仕事をやっている人は、その得意な局面ではだれにも負けな
い特別な勘が働き、その人ならではの成果をもたらすようです。不確かな局面にあ
って、きっちり勝機をつかむ意思決定と行動は、その人だけの特異な「勘」に基づ
いているのかもしれません。

何回も覚醒剤で御用になっている俳優が演じる雀鬼(プロ雀士)にも、同じような
セリフがあります。「一流のプロは感じて打つ。考えて打つのは二流だ。難しくな
ると考えてしまう、考えると流れが止まる。間が切れる。一流のプロは不自然な流
れを嫌う。」

ビジネスパーソンの場合は、勝機ではなく商機(ビジネスチャンス)が問題になり
ます。この商機をつかむのに、勘が働く人が勝ちます。取引に際して「金の臭い」
を感じる力のある商人は儲けそこなうことはあっても、損はしないということでしょう。

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