202007-348:ITバブルの頃

ITバブルでSEが企業のトップに情報化投資を営業していた頃。
神奈川県にある大手PCメーカー研究所を見学する機会がありました。そこで1992年1号機より開発にたずさわっている技術者が、この研究所で開発し世界中で販売されている黒いノートパソコンの魅力を語ってくれました。ムラサキや白、そして薄いパソコンなどと違い、このノートPCは流行を追わず、PCでゲームをする人や初心者ではなく、本当にPCを使いこなしてくれるユーザを対象に製品を開発しているそうです。米国の消費者は軽量や薄型は、すぐ壊れるから好まないそうです。ある程度の重さと大きさと頑丈さをもち、信頼性のある技術と部品を使って製品をつくるそうです。

ですから、新技術や部品の導入には慎重で、ドイツのマイスターに通じるところがあります。日本ではムラサキのPCが人気で、黒いPCは17%のシェアですが、米国NASAには信頼性が評価され、宇宙では100%のシェアだそうです。
この黒いノートパソコンの会社の経営手法が、米国に負けたドイツのスポーツ用品メーカーと大きく違うのは、事業戦略です。採算性を重視しています。すばらしい製品でも、儲からなくなったら撤退するということです。原価割れの商売はしないといいます。

ブランドとか、ロゴマークにこだわりをもって親子3代にわたってブランドを育ててきたマイスターの社会に採算性という異物が混入すると、クリエイティブな環境が悪化する心配よりも経済優先とうことです。

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