金言−531:一極集中の危うさ

先週コダック社がチャプターイレブン。倒産です。
1975年世界初のデジタルカメラを開発していながら、当時儲かっていた銀塩フ
ィルムに文字通りこだわり続けました。その結果、後戻りしないデジタル化の流れ
に逆行したコダックは市場から退場となりました。

儲かっている本業に集中して事業の多角化を嫌い、堅実に一極集中で事業を展開す
る戦術は、バブル崩壊後の生き残りの王道でした。身近な生き残り商売の例として
は町の床屋さんでした。バブル期には周りが儲かっていても床屋さんの売上は変わ
りませんでした。顧客の髪はバブル期でも伸び率は変わらなかったからです。とこ
ろが、バブルが崩壊したとき、証券マン、不動産屋、車のセールスマンが真っ青に
なっているときに床屋のマスターは淡々と今までどおりの商売を続けられました。
バブルでもアフターバブルでも、営業マンの髪の毛の伸び率は変わらなかったから
です。営業マンは接客商売ですから調髪を1か月に1回から2カ月に1回にするわ
けにはいきませんでした。

ところが、100年に一度1000年に一度の天災・人災の後、消費マインドが変
わり始めました。残りの人生で使いきれないほどの資産を持つ年配者が、子孫に残
す分を減らし始めたのです。次は2000年に一度の首都直下型と東南海、それに
富士山噴火と続き、東京・名古屋に壊滅的な打撃を与える天災がいつ起きてもおか
しくないという有識者の警告が現実味を帯びてきたからです。家を残しても地震と
火災で焼失、貴金属は津波や土砂や火災で無くなってしまう恐れがあります。地震
保険をかけても、保険会社が潰れてしまうかもしれませんし、何よりも、有事の際
に本人が生き残れるかどうかが全く不透明です。

そういう中で、町の床屋さんは、1000円から1800円程度の「髪屋はうす」
などのチェーンに顧客をもっていかれて閑古鳥が鳴いています。一方、東日本の宝
飾店はよく売れているそうです。知り合いの長野の寝具販売店でも20万~30万
円の寝具が連日売れています。

今回の老舗コダックの消滅より、一極集中のリスクと事業多角化のヘッジを見直す
経営者が増えることでしょう。負けているときも常に次の一手を考え、そのための
市場調査やR&Dに先行投資していく企業が1000年に一度2000年に一度の
有事にも生き残るに決まっていますから。

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