金言−435:何回学習しても懲りないこと

季節ごとに出身地の農作物(実家の作物や農協の商品)を知人・友人・姻族に配る
年配者がいます。毎回かなりの農作物が届く相手方では、浮世の義理としてお礼の
電話をかけ、なにがしかの品物を買ってお返しをしてお礼のあいさつをします。送
り主のこの老人の家には、配った相手からのお礼の電話と、大量のお返しが届きま
す。これで、何日か話相手ができ、暇つぶしになります。

時がたつにつれて、受け手の家の方は少子高齢化で消費する人数と量が減り、大量
の季節の野菜をもてあますようになります。どうやら、送り主は、物を贈ることに
よって友人・知人・姻族との今までどおりの濃い目のつながりの継続を願っている
ようです。受け手は、そのための費用分担をしいられます。

食べきれないほどの量でもてなし、もったいないから食べ残さないで完食するとい
うのは、昔の作法です。昨今のエコ・環境に関心をもつ人たちは、消費量を最初に
見直し、もったいないから捨てないですむようにします。体に負担をかけるような
無理を嫌います。

いつの日か、受け手は消費できない量の物を辞退するようになります。旬の野菜で
も少量なら歓迎ですが、食べきれない量は迷惑となるからです。そして、配布が減
るのに比例して、意図したコミュニケーションも減っていきます。カネの切れ目が
縁の切れ目と同じく、物でつながった関係は途切れた時に終わります。老人はまだ
このことに気がついていません。

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