金言−329:家族のしがらみ

米国のTVドラマで、士官の家族と兵の家族が恋愛関係になってはいけない規定が
あるというシーンがありました。たとえば、大尉の子と軍曹の子とは恋愛関係にな
ってはいけないというものです。非常時または戦時において、士官が適切な意思決
定をするうえで障害になる可能性を取り除くというのが理由です。

日本では、玉の輿とかいって、親の身分や家柄の違いを超えて子供たちが婚姻する
ことについて、その親たちの組織運営上の重大な意思決定に及ぼすリスクについて
問題になることはめったにありません。本人たちの幸運とか周囲の羨望とかはあっ
ても、危機感はでてきません。

民間企業で次期社長の娘と平社員の男性社員が結婚するとその男性社員の将来は約
束されるというのがよくある話です。嫁入りした娘の動向は、経営者の意思決定に
影響を与えます。企業間では政略結婚があります。時代劇でも、人質として子女を
婚姻の形式で敵方にさし出す話がよくでてきます。まさに、指導者の意思決定に影
響を与えるために子女の婚姻が利用されています。

一見、米国の軍隊の規範は別世界の定めのように見えます。命をかけて戦うときに
、家族のしがらみを優先して負けると敗戦の言い訳が困難になりますので、初めか
らないほうが当事者にとって心理的な負荷が軽くなります。勝つための方程式の一
部です。

では、私企業の経営者の意思決定ではどうでしょうか。組織の存続がかかった重大
な経営判断に際して、家族のしがらみに惑わされて期待された結果が出なかった場
合は、その経営者は間違いなく敗者となります。適切な経営判断をするうえで重大
な支障になるリスクがあることを明示して、経営幹部の子と従業員の子の恋愛を控
えるという就業規則をつくったら、日本国憲法に抵触すると思いますが、非上場で
強い同族会社は創業当時から家訓としてきっちり継承されているかもしれません。

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