金言-154:欺けば見限られる

近江商人の末裔が先代から踏襲した企業統治方法は、実は違法であるということが明
るみに出てしまいました。40年来、税金を払わない理想的な経営手法として聖域に
あり、その豊富な資金力の恩恵を歴代の政権担当者が享受していた事実が公開される
のも時間の問題かと感じています。ワイドショーのレポーターが、埼玉県の鉄道本社
の元幹部のコメントを流していましたが、インサイダーとしてはこれで終わりにして
くれたら大変助かります。なぜなら、鉄道の元幹部といっても、役付き役員以外はほ
とんどオーナーと接触する機会がないからです。百貨店の異母兄をはるかに超える雲
上人です。この人の肉声を聞く機会があるのは、原宿本社の250人あまりの直参旗
本とグループ会社から召集した働きバチおよび縁故採用の女子社員を除けば、レジャ
ー施設(事業所)の限られた社員だけです。この人たちは、宮内庁の職員と同様、オ
ーナー一族の暗部について語ることはありません。

「信頼関係がなければ人はついてこない。欺けば見限られる。」
オーナーの肉声がとどく範囲の集団内部では、不平不満は存在しません。資本の論理
というか、支配者と被支配者の関係が明確にされていますので、主人を欺かない限り
、社員と家族が路頭に迷うことはありません。このカルト集団みたいな企業の違法行
為を指導者自らが世間に公表した時点で、ようやく終わりが始まったわけです。

この人のカリスマ性に疑問を持ち、実弟についていった幹部社員は、今頃どうしてい
るでしょうか。20年以上も昔のことですから、皆さん現役を引退している年頃です
者がそれぞれ起業して古巣をしのぐ活躍をされている方もいらっしゃるでしょう。こ
の人たちも、若い頃世話になった埼玉の鉄道親子に恩を感じ義理をたて、ワイドショ
ーのレポーターに情報をくれてやるようなまねは断じてしません。しかし、この人た
ちは、確かに一時、カリスマの世話になりましたが、いまや信頼関係は存在しないの
で、ついてはいきません。大将が世間を欺いたと白状したので、世間からも見限られ
ます。とうとう王国は崩壊し始めます。ただし、沿線住民の気持ちが離れても、鉄道
利用客が減ることはありません。レジャー施設の集客力が落ち、関連輸送人員の減少
にとどまります。

◆あとがき

某アナリストが情報は集めるものではなく、流れ込んでくる膨大な量の情報を選択し
捨てることだといっていました。今回、聞いたアナリストの話では、できる限り積極
的に情報に触れることをすすめています。大量の情報のシャワーを浴びることによっ
てアンテナを敏感にすることができるとのことです。

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