金言−706:懐かしい「勤め人時代」の日々の出来事

昔々、同族企業に勤めていた頃のお話です。
本社内で突然NO.2に呼ばれたときは、身に覚えのある関係資料をなるべくたくさん
かき集め、5分以内に4階まで階段を駆け上がり、息を切らし、汗をにじませて、
執務室に出頭するのが係長以下の社員のお約束のパフォーマンスでした。
本社の係長は、事業所では部長待遇ですし、本社の課長は所長より格上でした。
本社のNO.2といえば、NO1の右腕ですから、この人の指示はNO1の指示に間違いない
ので、良い話のときは期待が膨らみ、悪いときは最悪を予想します。
呼ばれて質問された件に息を切らし苦しそうに答えると、「水でも飲むか」と猶予
を与えられれば、深刻な件ではないと一安心します。
一方、自分なりにしのぐことができると思っているうちに、ふとNO.2の鋭い視線に
気がつくことがあります。こういう時は、その後上司も呼ばれ、深刻な状況になり
ます。そして追及が終わり職場にもどると、今度はさらに時間をかけて経過説明を
求められます。
さらに追い込まれると、さかのぼって採用時の事業所の責任者が呼ばれます。どう
いう社員教育をしたのかと管理責任が問われます。現職での責任者はNO.2なので、
新入社員当時の事業所の責任者の説明責任が問われます。ただし、だれが当時の責
任者なのかはNO.2が決めます。
これが極めて普通の出来事でした。今思えば、経営者のカリスマ性と求心力が健在
である限りにおいてという前提条件がありました。
何はともあれ、今は懐かしい「勤め人時代」の日々の出来事でした。

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