金言−522:何かが変わらない限り終わらない

1960年から70年代にかけて、新興宗教と呼ばれた宗教団体が今までの日本人
の心を否定する手口で勢力をのばしていました。古来、わが国では「和を尊ぶ」と
かいって、公の場では、競合する他者を非難中傷したり否定したりして自らの優位
性を主張することを嫌いました。

ところが、この集団は徹底的に既成宗教を否定し、かつ、既成宗教がお約束できな
かった「現世利益」(信仰した結果がこの世において実り、欲望が達せられるとい
うこと)を約束しました。このマニフェストが多くの欲深い日本人に希望と利益を
もたらしました。

「儲ける」という字は「信じる者」と書きます。文字どおりこの集団に加わって必
死に現世利益を願いその約束を信じることで、願いが叶う人が増えました。日本経
済が右肩上がりの高度成長をしていた時期と重なったことも勝因でした。もちろん
、叶わない人は、信心が足りないと内部で総括されます。願いが叶うまで辞めない
ことが祈願成就の定石です。

先日街宣車を見ました。なんと、この宗教団体を信じたことで損害を被り離脱した
人たちに向けたNPOまがいの救援活動を宣伝していました。そういえば、国会議
員選挙でも不敗の強さは色あせていますし、一家そろって信心していたはずの知人
は、そもそもこの宗教を親族に持ち込み熱狂的な信者であった実母の葬儀で、声高
に題目を際限なく唱える集団から距離を置いていました。この教団の信徒は、政界
進出を果たしても、私企業経営幹部には敬遠されていることを知人は口にしました
。さらには、教団のカリスマ名誉会長は公の席に姿を見せなくなって、死亡説も流
れています。

ウォール街を占拠しようという集団の一人は、「何かが変わらない限り終わらない
」と強気なコメントをしていました。100年に1度、1000年に一度の人災天災をきっ
かけに「何か」が変わっているのかも知れません。

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