金言-928:南仏エクサンプロバンスの坂道が磯子に似ていました

連続ドラマ「Heaven?~ご苦楽レストラン~」第6での石原さとみ演じる「ご苦楽
レストラン」のオーナーのセリフ。
お店をなぜ繁盛させようとするのかわからない。店が潰れなければいい。繁盛
させようと頑張って楽しいか。一番大事なのは自分。おもてなしに足りないのはオ
ーナーが快適かどうかだ。

外資で日本市場向けスポーツブランドのM&Aに絡んでいた頃のことを思い出しまし
た。 横浜の磯子に市電が走っていた頃、県道の向こう側は海でした。その磯子の
高台がなんとなく南仏エクサンプロバンスに似ていました。晴天の初夏だったので
、坂道を歩いていたときの暑さが似ていただけだったような気もします。その坂道
の先のホテルで、イタリアの某ブランドオーナーが商標権の売値について教えてく
れました。 売却価格はマーケットシェアや販売額から算出するのではなく、この
先自分と家族が安心して楽しく暮らせるだけの額とのことでした。想定価格を下回
っていました、従業員や取引先やユーザのことは全く考えず、後のことは買い主に
任せるということでしょう。一番大事なのはオーナー家であるという極めて現実的
な考えでした。

もうひとつ思い出しました。
最初に立ち上げた株式会社のパートナーのことです。この人が持ち込む案件はいつ
も小粒でした。3~4人が暮らすには十分な額の案件でした。小さく始めて大きく育
てるというのがベンチャー成功の手口です。ローリスク・ローリターンで始めれば
1年では潰れません。でもリスクオンに切り替えないと、大きく育ちません。新興
市場での上場を視野にいれたアグレッシブな営業担当とは方向性が違いました。30
年の勤め人時代のパートナーシップが起業によって1年で型崩れしました。

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