金言−401:小さく始める

部下の教育的指導をする場合、「いってきかせて、やってみせ、自分がやるからお
前もやれ」という手法は、大企業の上昇志向をもっている社員には有効のようです
。昔、リクルート社の若い社員から直接聞いた話だからです。その若者にとって、
直属の上司は自己啓発の最初の目標レベルであったと思います。

一方、小企業でモチベーション、自己啓発、キャリアパスなどという言葉に無縁な
人たちには別の対応をしたほうがいいようです。

そういう会社でお約束の部下がいた頃、ミニマムのビジネスマナーを学習してもら
うために、身近なところから小さく始めることにしました。若い人たちに、わかり
やすい成果報酬を約束して、小さな決断を迫ることにしました。

たとえば、日常茶飯事の細かいミスには寛大な対応(目をつぶる)を約束するとい
う取引をしました。見返りは「朝出勤したら、挨拶をする、帰る時には、帰ること
を上司に告げる」ことを厳守するというミニマムのマナーでした。

これで、ビジネスマナーを学習させる最初の難関を突破しました。
事業は小さく始めて大きく育てることが秘訣だとききましたので、教育的指導も小
さく始めました。

後日談としては、これは当事者同士のみ有効な取引でした。前提条件である寛大な
見返りが期待できない上司には、このマナーは適用されませんでした。

関連記事

  1. 甘いささやき
PAGE TOP