金言−302:名刺#2

先週、印刷会社のM社長さんに久しぶりにお会いすることができ、印刷コストの勉強
をさせていただきました。その中で、気になっていた名刺についても制作サイドの貴
重なコメントをいただきました。営業の現場にいる方には常識ですが、そうでない方
には酒肴程度にはなるかと思いご紹介いたします。
名刺の話しを切り出した時に、最初に言われたのは、誰に何のために渡すのか、用途
によって用紙、サイズ、レイアウト、印刷方法などが変わるということでした。

1)再生紙使用マーク入り
環境に配慮し、再生パルプ100%使用した用紙などのエコマーク認定商品で作成さ
れた名刺には、「再生紙使用マーク(Rマーク)」を入れることができます。このR
マーク入りの名刺は、官公庁でお役人に渡す際に必須アイテムです。

2)定型的な目立たない名刺
会社再建中の経営者が、金融関係の皆さんに渡す名刺です。経営建て直しのためコス
トカットを細部にわたって実施していることを名刺でも表現するためです。勿論、名
刺で仕事がとれるわけではないので、経費節減を基本としている会社は名刺に費用を
かけません。質素な名刺を持たれている大企業の社長さんがたくさんいるそうです。

3)おしゃれな名刺
クリエイティブな仕事をされているアーティストは、それなりに完成度の高い名刺を
お持ちです。名刺はご自分の作品のひとつです。紺屋の白袴は、通用しません。

4)華美な名刺
バブリーな名刺です。とにかく、今、儲かっていることを周りの人に知らせるために
使用します。高そうな名刺を配ると、友達が増えるそうです。金回りがよければ、カ
ネの匂いに敏感な人たちが集まってきます。自然に人脈が広がり、にわかにビジネス
チャンスが増えていきます。

5)箔押しの名刺
金箔・銀箔押しのロゴや社名の入った名刺を、経営幹部が使っていた会社がありまし
た。社章も、取締役は金銀バッジです。この会社は1984年に倒産し、当時は勢い
の良かった会社の傘下で再建を目指しました。倒産後、再建を目指す会社の幹部が、
金バッジを着用していたのです。そして、平成15年、身売りして、社名だけが生き
残りました。

6)補足
名刺は、渡す相手によって使い分ける必要があるそうです。そして、同じ会社の者が
、同時に差し出すときは、同じ仕様の名刺を使ったほうがいいそうです。今では、名
刺は100枚1000円程度が上代で、手間がかかるわりに薄利の商売らしいです。

◆あとがき

高速道路のサービスエリアで見た光景です。3台の白いベンツから出てきた黒服の集
団が、ハンバーガー屋さんに並んでいました。修行中の若い者たちは、皆少年時代の
癖が抜けないのか、頻繁に道端でタバコを吸っています。見た目は温厚な幹部クラス
のお兄さんたちは、タバコを吸いません。タバコ銭を節約するわけはないので、健康
に注意しているのか、それとも、あの世界でも肥満と喫煙は自制心のなさを疑われて
しまうのでやめているのでしょうか。何はともあれ、幹部はそれなりにスマートで、
使い走りは、格好悪いです。
有事には間違いなく豹変するお兄さんたちが、ハンバーガーの入った紙袋を持って、
ベンツに乗り込んでいきました。何事もなく、目の前からいなくなって、ほっとしま
した。

関連記事

PAGE TOP