金言−365:記憶は空間に保存する

嫌なことを考えているときは下を向き、楽しいと感じているときは上を向くといっ
ていました。だから、嫌な記憶は、空間の下の部分、楽しい記憶は上の部分に保存
されるといいます。

振り返れば、会議で不利な立場に陥ったり、責任を追及されたりして困ったときは
、下を向いて何かを考えていたような気がします。挽回のチャンスがないときや何
も考えていないときは、頭の上を嵐が通り過ぎるのをじっと待っていたのかもしれ
ません。

昔、このパターンを逆手に取ったことを思い出しました。
金儲けは大得意ですが決して善人ではない上司の下で働いていたときのことです。
この人は、部下の失態をとがめる場面でよく机を力強く叩きました。その瞬間、部
下が縮み上がるのを見て、この上司は部下との力関係を確認し納得していたようで
した。

あるとき、この怒られ役の番がまわってきたので、いつものお約束を破ってみよう
と思いました。滅茶苦茶怒られているときに、なるべく下を向かず、そして、クラ
イマックスの机をたたくシーンでは、平静を装い何のリアクションもしませんでし
た。これは一定の効果がありました。いつもと違うリアクション(無反応)を部下
がしたので、上司は戸惑ったようです。部下としては、上司の理不尽な感情的な行
為にはお付き合いしないということを意思表示したつもりでした。

効果が半減したことを感じたのでしょうか、その後、上司が机をたたくシーンは激
減しました。

下を向いているときは、ネガティブな記憶を空間の下方部分に蓄積しているのでな
く、反撃のばねが大きく跳ね返るように下方空間に「ねじれのエネルギー」を注入
している「とんでもない社員」がいたことを思い出しました。

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