金言−277:形は中身をつくる

面従腹背とは、広辞苑によると「表面では服従するように見せかけて、内心では反抗
することと」とあります。最近は、潜在意識のもたらす作用が取り上げられる機会が
増えました。それによると、潜在意識は、面従で腹背することを困難にする力があり
そうです。毎日、表面的に服従しているふりをし続けると、いつのまにか内心まで服
従してしまうということになります。

1)虚言癖の悪い人
うそを平気でつく悪い人は、いつもうそをつき、うそがばれそうになるとそれをごま
かすために、さらにうそを重ねていきます。それを物心ついた頃から続けてきた悪い
人は、潜在意識の効能で、口にしたつくりばなしは、すべて事実であると確信してい
ます。本人はうそをついているとは思っていません。自分が口にすることに疑いを決
して持ちません。本人はうそをついていると思っていませんから嘘発見器にかけられ
ても動じません。平気で人をだますのですが、本人はそうとは思っていません。

2)新入社員教育
景気が右肩上がりで、前年比何%増にするかが予算作成のキーワードであった頃、年
功序列と定期昇給が成果主義に変わるとは思いもよらなかった時代、地球温暖化とい
う言葉は存在せず田子の浦がヘドロの海になっていた頃、企業は3ヶ月の新入社員教
育を実施していました。企業は管理部門を除く各現場に新人を配属し、ローテーショ
ンを組んで期待される社員を育成していました。ハンバーガー屋さんのマニュアル教
育がまだ市民権を確立していない頃です。先輩からきっちりと「勤め人」の基本をた
たきこまれ、新人は清濁併せ呑む環境で、成長していきました。

3)ホテルマンの教育
新人は、先輩から基本的な接客方法を学びます。笑顔が基本です。週給で働いている
米国のウェイトレスは、笑顔が出ないとマネージャに来週から来なくてよいと解雇さ
れると教わります。指輪もネックレスもしてはいけません。(手首足首の飾りなんて
問題外です)お客様より高価な腕時計を身につけてはいけません。
お客さまに笑顔で接遇します、内心は問題にしません。何も考える必要はありません
。お客さまの喜ぶ顔を見るのがサービスマンの喜びです。そうやって、何年も笑顔を
作り続けると、内心が変わってきます。笑顔をつくると、気持ちがかわり100%楽
しい気分になります。仕事が楽しくなります。無理難題を吹っかけられても、お客さ
まは神様になります。自分で自分を洗脳していきます。「形は中身をつくる」といい
ます。潜在意識の効能で、好ましいホテルマンの外形を整えると、中身があとからつ
いてきます。

◆あとがき

高級フランス料理レストランのウェイターは、新宿歌舞伎町ホストの元祖かもしれま
せん。常連客にかわいがられるウェイターは、プライベートの場に呼ばれたりしてい
つしか常連客と同じモノを持ち始めます。デュポンのライター、ロレックス、イタリ
ア製の靴など、ウェイター業務で身につける私物が高級品になっていきます。お客さ
まからいただく金品が、給料を上回ります。チップも高額になり、通勤にタクシーを
使っても、給料はそのまま残るくらいです。
シェフと似ているところがあります、おいしい料理は痩せた貧弱な体格のシェフに作
ってほしくはありません。同様に貧相なウェイターには、食べる楽しみをサービスす
ることはできないでしょう。高額な料理には、カネをかけたウェイターのパフォーマ
ンス料が含まれているからです。

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