金言−642:ワインを嗜むことを止めました

子供の頃の我が家で、ワインというと、デザートワインの「赤玉ポートワイン」で
した。
ヨーロッパに本社のある外資企業に転職して初めて、ワインを嗜むこと、自分の好
みの味を持つことが、宴席で取引先をもてなす時に必要な素養であることを知りま
した。特にラテン系のビジネスパーソンとの会食ではまずワインを楽しみ、デザー
トでチーズの話を付け加えることで、商売が次につながりやすくなります。家族サ
ービスの大切な時間を商取引のために費やすのですから、楽しくなければいけませ
ん。日本風に表現すれば一期一会です。
美味しいワインはだれが飲んでもおいしいという定説を踏まえて、相手が美味しい
というワインを試し、自分の好みと価格の両方を満足する「好みのワイン」を設定
します。その次は決めたワインを一途に飲み続けます。そうすると、違う銘柄のワ
インを飲んだときに、味の違いが分かるようになります。自分の好みのワインと比
較して、自分なりに欧米人とのワイン談義に参加できるようになります。
CEOになって10有余年、ワインを嗜むことを止めました。
1杯の赤ワインは健康に良いとワイドショーで紹介されて以来、健康のためという
大義を得て赤ワインを飲み始めました。食事に赤ワインが定着すると、次はランチ
に、休日の食前に、さらにはナイトキャップという寝酒に拡大していきました。
ところが健康長寿に有効な物質を摂取するためには、1日に赤ワインを何本も飲ま
なければならないという話を聞きました。(いつだれからかすっかり忘れました)
フランス人は赤ワインのおかげで心筋梗塞は少ないといわれますが、飲みすぎで肝
疾患に悩む人が多く、長生きするわけではなさそうです。
少し緊張感が希薄になった、次の大地震という有事に備えて、また、冥府魔道を行
く拝一刀のセリフのように、「酒は嗜まない」ことにしました。決意表明して1年
続いています。

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