201902-60:ミッドナイトインパリ、断捨離のその先にある近未来

ムーランルージュ

普段見ないジャンルの映画です。
いつもは、ジャック・バウアーが展開するアクション映画や弁護士や若き日のトランプさんなどの商人が活躍するデュアルプレーの成功物語をよく見ています。
今回の映画は、生活感のない資産家や芸術家が酒と音楽を深夜のパリで楽しんでいるストーリーです。湯水のようにカネを使う生活をどのように維持しているのだろうと考えたら成り立たない虚構の世界かもしれません。

主人公のライターは1920年代のパリ、エコール・ド・パリに憧れて連日深夜タイムスリップ。大気汚染も核爆弾も存在しない世界です。ところがその時代のアーティストはベルエポックに憧れていました。そしてベルエポックにタイムスリップするとその時代ではイタリアルネッサンスが理想郷でした。
いつの時代のアーティストも現状に満足しないようです。現状に満足しないアーティストは今までみたこともない世界を自分で切り開くか、それとも古き良きノスタルジーの世界で懐メロを楽しむか、この映画はノスタルジーの方向に向かいました。そしてタイムスリップした時代に対する不満が限りなく続いていく限界を見せてくれます。過去の積み重ねである現在を否定して、これから自分が創る未来に楽しみを見出すところが落としどころとなっているようです。
極論ですが、断捨離のその先にある近未来のような気がしてきました。

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