アバウトの数字

大手企業グループの本社勤務従業員の、年間事業計画に関わる年に1回の各事業所での会議の件。
ある事業所の営業企画担当者は、会議資料に掲載されていない各部門の数字を資料を見ずに二つ返事で明快に応えていました。数字に強い人というのはこういう人のことかと感心しました。

翌年の会議でも同じでした。ふと周りを見ると本社サイドの従業員は細かい数字の発表をメモしていません。数字は財務できっちり精査しているのでマーケティング担当としては明快に報告してくれることで満足していました。そこで、何を思ったか、いくつか数字をメモしておき、最後に質問はあるかというお約束のタイミングで、何かに関連して数字を確かめました。そこで明らかになったのは、さっき口頭で明快に発表した数字と、今の数字が同じではありませんでした。
こちらも若気の至りで、さっきと数字が違うと会議の席上でつぶやいてしまいました。
座が白け、数字に強いという担当者はアバウトの数字をお伝えしたので違うこともあるということでした。

当時はおおらかな時代で、リストラや成果主義、コンプライアンス、デューデリジェンスなどという概念は存在していなかったので、アバウトな数字ということで一件落着でした。
国会で与党の代議士先生が野党に質問されるたびに答弁の内容が変わる我が国において、私企業の営業担当の数字がアバウトなんていうことはよくあることでした。

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