バーバーのマスターのおもてなし

最初の勤め先には、従業員用のバーバーがありました。
地下3階に全従業員用のロッカールーム、焼却炉、ランドリー、ビル管理の事務所などがありその一角にバーバーがありました。
24時間営業の事業所だったので、シフトに中抜けがあり、その時間を使って従業員はバーバーに通いました。隣に女子用の美容室もありました。顔を出して空いていればすぐやってくれますが、基本的には予約制です。椅子が3脚ありマスターと綺麗な奥様の2人で営業しています。
何年かしてわかったのですが、1時間ほど座っているので隣に座っている従業員と相性が悪かったり幹部だったりすると嫌ですし、隣席に聞かれると不都合のある内輪の話や愚痴を安心して話せるよう、マスターは予約時に同席する従業員を調整していました。
マスターは個人別に興味ある社内情報をそれとなく教えてくれました。個人情報とか内部告発とか大それた話ではありません。あくまでも、調髪のひと時の退屈しのぎです。グループ内の異動で事業所が変わっても、マスターが引退するまで20年以上通いました。
昨今はミニマムなサービスで短時間・低料金のバーバーチェーンがたくさんあります。2倍の協定料金で営業している町の床屋さんはそれでも全滅してはいません。30分で2000円、60分で4000円にはおそらく提供するサービスに違いがあります。仕上がりが同じなら30分で2000円が選ばれます。おそらくレッドチャイナのコモディティと日本製の違いに似た何かがあるのかもしれません。料金だけ日本製でおもてなしはレッドチャイナ風は不買ですけれど。

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